七夕と相撲の古代史 価格: 2,730円 レビュー評価:4.0 レビュー数:1 古代の相撲や機織文化、五節句の受容など、とても勉強になります。 面白いと思ったのは、その着眼点でした。『日本書紀』の垂仁天皇7年7月7日の条に相撲起源譚が語られているけれど、それがどうして《七夕》の日のこととされたのか、と問いかけます。垂仁天皇についての記述は『記紀』の中でも比較的好きな部分なので、それなりに読み込んでいるつもりでしたが・・・、確かに指摘されるまで気がつきませんでした。謎です。相撲と七夕との間にはどんなつながりが・・・? しかし中国起源の七夕について詳しく考察するうちに、相撲との関連性はどこへやら。 七夕が機を織る女性であることから、日本古来の機織文化に触れたり |
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七夕の国 下 価格: 1,000円 レビュー評価:3.5 レビュー数:5 <全巻の評価> きちんと全体の設定や構図を考えて、丁寧に謎や伏線も張ってあるが、それが返って物語全体をこじんまりとさせてしまった感がある。 序盤のストーリー展開には非常に興味をかきたてられるが、主人公を始め、ほかの登場人物の反応も、また世界全体の反応も妙に淡々としているので、本来もっとスリリングなSFサスペンスに出来そうな設定なのに、いつまで経っても盛り上がって行かないもどかしさがある。 確かに謎解きに関しては説明すべき部分は綺麗に説明してある。ただ残念ながら、その謎解きの結果である「○○○オチ」に意外性が無く、は |
七夕の国 (1) (ビッグコミックス) 価格: 510円 レビュー評価:4.5 レビュー数:5 岩明均の作品は短編集から連載中の『ヒストリエ』までおそらく全 部読んでいる。そのなかで私が一番好きなのがこの『七夕の国』。 4冊で完結していることもあり、構成がしっかりしている。伏線とそ の回収は読んでいて気持ちがいいぐらいである。それだけ完成度が高 いので、なかなか紹介に困る。無駄なことがほとんどないため、内容 について触れるとすぐにネタバレになってしまうからだ。 SF要素と民俗学・考古学・歴史学が絡み合うところが、星野之宣や諸 星大二郎を思い浮かばせる。彼らの作品が好きだという |
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七夕の国 (4) (ビッグコミックス) 価格: 530円 レビュー評価:5.0 レビュー数:4 私の中で七夕の国というタイトルは今まで読んだどのマンガよりも好きなタイトルです。始めは、ん?変なタイトルだな、としか思ってなかったのですが、物語を全部読んだときに(ラストシーンを読んで)そうか、そういう捉え方があったんだな、とはっとしてしまいました。 誰かを信じて待ち続けることや、会いに行くことは簡単なようですが、時としてとても難しいものです。幸子ちゃんは南丸と出会ったことで、希望よりも辛いことや嫌なことが多い、この世界で生きていくことを決めます。そのわずかな希望をつないでいくことを彼女は選んだのです。 南丸が幸子ちゃんの心に橋を渡したように、私たちにも私たちを取り囲 |
七夕の国 上 完全版 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) 価格: 1,000円 レビュー評価:4.5 レビュー数:3 「寄生獣」で岩明氏のファンとなり、本作がスピリッツで不定期に連載されていたときは欠かさず読み、 ストーリーが盛り上がってきたと思ったら、突然あっさり最終回という感じで、当時は拍子抜けしました。 その後に普通版の単行本全4巻をイッキ読みしても、今イチ感動は薄い作品でした。 しかし数年ぶりに「寄生獣」と「七夕の国」を連続して読んでみると、七夕の国が決して凡作ではないように思えてきました。 とくに感じるのは「寄生獣」が、その人気ゆえ延命措置を施したような感じがするのに対し、 「七夕の国」は最初から結末を決めていて、その目標( |
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